Vol.27 はみ出し者の地平線  著:明媚 朋郎

謹賀新年。新年明けましておめでとうございます。決して忘れることは出来ない本当にあの悪夢のような2011年から一部では世界が滅亡すると真しやかに噂されている2012年に突入してしまいました。大体な、地球が明日滅亡するからといって生き方を変えるほど軟な生き方してねえんだよ!こっちサイドは!解る?ハッキリ言わせてもらうけど地球が滅亡するかどうかなんかよりロックンロール人種が絶滅の危機に瀕している方が、ロックンロールが勝手に殺されている事の方が、ワシにとっては大問題じゃけえのう!「そんなの別に放っておけばいいじゃん」「勝手に言わせておけばいいじゃん」「ダムドがファースト・シングルを出した時にロックもパンクも死んだ」って知るかいボケ!エエカッコ言うなや臆病者が!いいか!「俺が生きているっていうことはロックンロールは死んでいないってことだ」ぐらい言ってやらんかい!言う奴は居らんのんかい!もうな、「音楽は世界を変えられないと思う。変わるキッカケにはなるけれど」的な使い古された、大したこともねえ三下に植えつけられただけの台詞でお茶を濁してしまう、そういう時代は終焉を迎えたんだよ。それでもその類のシチュエーションが好きなボンクラ共は明け方の居酒屋で毎回同じ顔ぶれで同じ問答を気が済むまで一生やっていてくれて全然かまわないから、たのむからワシの目の前で糞の役にもたたねええロック論を酒の力を借りてほざくのだけは止めてもらっていいかな。「時代を変える」「世界を変える」そのつもりでそこに立っとんのでしょうが。だったら恥をかかんかい!傷つかんかい!思いをぶちまけてやらんかい!今年もワシは一歩も退かんで。尚一層研ぎ澄ましてブッタ斬って行くど。おう!と年始から興奮しっぱなしの自分ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。ワシは読んでの通り、興奮の坩堝の中で今にもハチ切れそうな思いを暴発しないように標準を合わせているのですよ。稲中(漫画の「行け!稲中卓球部」の田中の様に袋に溜めに溜めたオナラを放出できるタイミングを待っているのですよ。なんでそんな訳の解らない事を急に言ったかといいますと、今これを書いている1月4日の夜9時現在、思うことは世の中の表現が、否、日本の表現者の表現がとてもいい方向に向かっているという実感。偉そうな事を言わせてもらえるのならば、やっと地に足が着いた感じだ、そんな事を実際に感じている。震災前と震災後では訳が違うように感じるんだ。不安に縁取られた生活、絶望に透かして見る未来、視界に広がった問答無用の悲しみ、死を覚悟せざる得ない日々、否応なしの不条理、理不尽な日常、それらを目の当たりにして心が何かを感じてしまう環境下で表現される表現は自然に人々に力や希望、楽しみを与える物になってきていると実感するのである。心に溢れ出てくる感情が爆発しているのである。一昔前まで「青春パンク」だの「がんばれロック」だのという言葉が横行し、脳と経験、自分自身の無いライターやジャーナリストがこぞってそのような文句を雑誌に引用し、所謂「青春パンク」や「がんばれロック」を攻撃対象としてスケープゴートしたのは記憶に新しい。認知されている、その道の大御所や御意見番には媚び諂うくせに、そのシーンの少数派、新人、孤立しているものに対しての態度は醜悪を極める輩も一部ではあるのかもしれないが実在したのは確かだ。そんなのが牛耳っている音楽業界やシーンが健全なわけがないし、シーンが今の様に悲惨な現状になるのは致し方ない。だから若い世代に声を大にして言いたいんだ。媚びる事も諂うことも無い、OOさんと知り合いじゃなくてもいいんだ、OOさんに気に入られる必要も無いんだ、囃し立てられて調子にのっている中身スッカスカのシーンの仲間に入れなくてもいいんだ、そんなことよりも本当に信頼できる友達を見つけることを勧めるぜ、共に何かを創り上げていけるような仲間を。遅かれ早かれ勝敗は見えている、歴史が全てを証明することになるから。で正月早々に言わせてもらうけど、踏ん反りかえってるシーンの老害共、それらにくっついているだけの何の取り柄もない金魚の糞共、影響力だけを売り物にしている腐り、偏りきった物書き共よ。ワシは悪いけど敵にまわるで。ワシがまだ若いころ、属したシーンの勝手な優劣で、または何にも属していないって事で、OOさんと知り合いじゃないって事で、歯痒い思いを何度もした、正当な評価なんて一度もしてもらえなかった。当時にワシが感じていた閉塞感以上に若い世代は本当にやり辛いと感じていると思うんだ。「それを乗り越えてこそ」「それらは必要悪だから」とか結局何の解決にもならないような台詞にもう耳を傾ける必要は無い。どんな状況でも才能がある奴は残っていくとはワシは思わんけえのう。嫌になれば、そこに何の意味も見出せなければ、シーンに絶望してしまったら誰でも立ち去っていくでしょう。何度も見てきたし、いつも感じていた。もう終わりにしよう腐った連鎖を断ち切って2012年は新たな道を歩むんだ。全てが朽ち果てて崩れ落ちる前に。